陽貴窯(ようきがま)

更新日:2024年04月01日

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お気に入りのお皿を見せてくれる田中貴美子さん

陽貴窯は田中貴美子さんによって開かれた窯元で、工房は東温市の重信川樋口公園から北の方向に車で5分ほど行ったところにあります。

こちらでは販売もしていますが、お店は不定休ですので、あらかじめ連絡をして道順を確かめておくのがおすすめです。 

工房に着くとまず目に入るのは木製の立派な看板。こちらは篆刻(てんこく)や書道を趣味としていた義理の弟さん(雅号は寿山)によるもので、窯の名付け親でもあるそうです。

みどりの文字で書かれた陽貴窯の看板
細かな模様がはいったお皿
細かな模様のお皿がたくさんある

田中さんはもともと絵を教える仕事をされていましたが、1990年にウメノ青興陶園に入社し、15年勤めた後、2005年に陽貴窯を開窯しました。

ウメノ青興陶園での年月と、ロクロ、陶画教室等で教わったことが、今の作陶に活かされています。

「ただ、窯焼きを1人でやるなんてことはなかったから、最初のうちはすごく怖かったですよ。最初は窯元の先輩が教えに来てくださって一緒に火を入れました。2回目からは1人でしていますけど、季節や土の具合によっても火の入り方が違うし、未だに慣れません。思った以上にかかっていた時間が、無駄な動きがなくなって少し安定してできるようにはなりました」と田中さん。

田中さんの描いた油絵

当時描かれていた油絵も見せていただきました。

「キャンバスとはやっぱり違いますよね。素地がザラザラしているから筆がすぐぼさぼさになるし、描き直しも難しい。今のような絵付けになるのにも時間の経過がありましたし、これからも変化を続けていくと思います」とおっしゃいます。

仕上げの窯入れ前の器がずらりと並んでいる
細かな模様のお皿がたくさんある

田中さんの絵付けはとても緻密な模様が特徴で、蛸唐草や菊唐草、鳥更紗など、自然がモチーフとなっています。
割り付けをする程度で下絵は描かず、どんどん描き進めていかれますが、それでも1つの器の絵付けには5から6時間もかかるものもあるそうです。

細かな模様のそばちょこ
草花の絵のお皿
赤い模様の器もある

呉須による絵付けも、調合を変えた数種類の呉須を用いて、模様に合わせて濃い薄いなど使い分けているそうです。日常使いの器がメインで、オーダーにも応じています。 
田中さんの器をぜひお手に取って、細かく丁寧な模様をゆっくり眺めてみてください。
和食・洋食・中華、なんにでも合いますよ。

基本情報

  • 住所:〒791-0202愛媛県東温市樋口乙96-25
  • 電話番号:089-964-7421
  • 営業時間:9時から17時まで
  • 定休日:不定休
  • 駐車スペース:3台
  • イベント:秋の砥部焼まつりなど
  • 支払い:現金