緑風窯(りょくふうがま)

更新日:2024年04月01日

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赤い服を着た杉田さんが自分の作ったカップとお皿を持っている

緑風窯は2000年に杉田緑風さんが開いた窯元です。 

杉田さんはギターやバイク、音楽や映画などもお好きで、工房は趣味の物に囲まれ、ご本人のロックな雰囲気からは想像できないような、精緻で丁寧な作陶を続けておられます。 

もともと油絵を描いていた杉田さんですが、緑光窯の亀田茂樹さんから「大阪芸術大学でとんならうちに遊びにおいでや」と声をかけてもらい窯を見学したことがきっかけとなり、緑光窯で働きながらロクロの修行をされました。

緑風窯と書かれた陶板
砥部焼に模様などを入れるための道具の数々
作品がびっしりとはいった窯

「1日で200個同じものが作れるのが最低レベルだ」という教えで、最初の半年は切立(きったち)の湯呑みばかりを練習し、それができるようになってからはお茶碗やお皿、花瓶や大きな花器を作らせてもらえるようになったそうです。
2年ほどして、ちょうど砥部町五本松の陶里ヶ丘で分譲地の販売が始まり購入、工房を備えた自宅を建てることとなり独立します。
ただ、緑光窯で学んだのはロクロだけ。独立してから釉薬の研究を繰り返し行い、たくさん器を作り、最初の年にはなんと27回も窯に火を入れたそうです。

ギャラリーの中に壺やカップが並んでいる
薄い緑のカップとお皿
薄い緑色の夫婦湯飲み

試行錯誤で良い色が出るようになるのに1年、また、器の表面を彫り、彫ったところに釉薬を埋めていく釉象嵌(ゆうぞうがん)をものにするのに3年かかりました。
杉田さんの手掛ける器や花器は、白磁とエメラルドグリーンのような青磁、精緻な彫りが特徴的です。描かれた花は立体的で美しく、らせんに櫛目模様の施されたものは優雅です。
写真中央の、豪華な一輪のバラのカップ&ソーサーは、カップを持ち上げるとソーサーにツボミが現れるようになっています。

ビアカップがずらりと並ぶ
ぐいのみと徳利
赤や紫の色鮮やかなお皿

その分、1つ1つに多くの時間がかかっています。それでも「時間がとれるなら彫ったことがないもっと細かい彫刻をしたい。何を彫ったかすぐわかるようなものではなく、抽象的なものが作ってみたいかな」とおっしゃいます。
また、最近では色鮮やかな色彩のシリーズもあります。 
いつもの食事やお茶の時間が、贅沢な時間になりそうな予感。ぜひお手にとってご覧ください。

基本情報

  • 住所:〒791-2133愛媛県伊予郡砥部町五本松885番地5
  • 電話番号:089-962-6369
  • 営業時間:13時から16時まで
  • 定休日:不定休
  • 駐車スペース:2台
  • イベント:砥部焼まつり、松山花園砥部焼まつり、秋の砥部焼まつりなど
  • SNSなど:Instagram
  • 支払い:現金払い