博雲窯(はくうんがま)

博雲窯は間﨑博学さんが開いた窯元で、現在は妻のかおりさんと2人で作陶されています。
間﨑さんは大学で教育学部で美術を専攻しており、もともとは美術の先生をしていました。
その合間、森陶房に遊びに行っていたことがきっかけとなって、てびねりで作った酒器を酒器展に出展したことから、今までやってきた2Dの世界と360度意識して作る世界との違いを感じ、作陶の面白さに目覚めます。
そこから再度愛知県の窯業学校に入りますが湯呑みの1つも作れないまま卒業となってしまったため、備前焼の窯元「西蔵坊窯」で5年間ロクロを徹底的に学んだそうです。
その後、現在の砥部町五本松の地に工房兼ギャラリーショップを構え、自身の窯を持ったのが2003年のことでした。
こちらは1階が工房で、2階がギャラリーショップとなっています。



ロクロと違い釉薬の知識がなかった間﨑さんは、焼いても焼いても失敗が続き、自身の作りたいものとお客さまの求めるものの間にも大きなギャップがあり、最初の1~2年は苦労したそうです。
「ギャップを埋めるのに何年もかかったけど、砥部焼は実用的なものを作る職人の世界。その根底は残しつつ、ちょびっと自分のしたいことや個性を乗せていけたらいいな」とおっしゃいます。



手作りにこだわり、写真左から、備前焼と砥部焼のいいとこどりをしたようなコーヒーに合う暖色系の器の練(れん)シリーズ、泥状の釉薬をかける泥彩の器のアルジルシリーズ、動物モチーフの器のPAN(パン)シリーズなど、多様なシリーズを展開しています。



高知県の八龍窯(やりゅうがま)で作陶を習っていたかおりさんは、2006年からこちらで共に制作しています。
写真左・中央のパピエ・コレ(ペーパーコラージュのフランス語読み)は、貼り絵のようにモチーフをのせて色付けをしたシリーズ。ぽこっと浮き出たお花やてんとう虫がかわいいです。
写真右は無事かえるシリーズで、お子さんや外出が多いお仕事の方にも喜ばれそうですね。
このほか、箸置きやお雛様などの置き物も人気です。
「博雲窯では生活の片すみに溶け込むような器づくりを目指しています。食卓を彩る器として、ちょっとお側に置いてもらえると嬉しいです」とお話してくださいました。
更新日:2024年04月12日