陶彩窯(とうさいがま)

陶彩窯は1948年に開かれた窯元で、健山窯という名から2003年に改名されました。
現在は3代目の長戸哲也さん、妻の純子さん、息子で4代目の裕夢さんの3人で作陶をされています。
開窯当初から2代目にかけては、水盤や花器を主に作ってこられ、3代目から食器を手掛けるようになりました。
陶彩窯と改名したのは「陶器、器に、いろいろな彩りを付けていきたい」という思いから。
その名のとおり、陶彩窯では砥部焼のイメージである藍色以外にも色々な釉を使い、作風もさまざまです。



絵付けのシリーズはほとんど純子さんによるもので、一番人気があるのは染付古砥部文のシリーズ(写真左)。かつて砥部で江戸時代ごろに作られていた器の文様を参考に作られています。
「遠い昔、江戸時代から始まった陶工が作ってくれた道を大切にしながら窯のオリジナリティを出していけたらいいなと思っています」と、オリジナルの土を用い、使うごとに味が出るような工夫をされています。
他には和紙染めやいっちん、象嵌など、様々な技法を用い、1人の人によるものとは思えないほど多彩です。



哲也さんは「器を見て、これは陶彩窯さんのだ!とわかっていただけるものを作りたい」とおっしゃいます。
裕夢さんは自由な発想で人型のオブジェや土偶のような置物、登り窯で焼成するものも手掛けます(写真中・右)。



陶彩窯では、工房兼ギャラリーショップを砥部町五本松に構えています。陶芸創作館から南西に400メートル進んだあたりです。
3人が作ったとは思えないほどいろいろなシリーズがありますので、ぜひご覧ください。
「ご自身の好きなように、生活の一部としてその人その人の生活に陶彩窯の器を取り入れてもらえたら嬉しいです」(純子さん)。
更新日:2024年04月01日